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SFC創設30周年便乗連載「フラ研、フラ語、ここ10年。〜2011-2020〜」vol.3

ボンジュール。フラ研です。青春はどどめ色な筆者ですが、先日はSFCを目指す高校生たちが参加する体験型ワークショップ「未来構想キャンプ」のティーチングアシスタントなどを務めてまいりました。今年はオンライン開催ながらも、例年と変わらず「若き血」が躍動する場となっており、こちらにも活力を分けていただいたような。2011年から始まった未来構想キャンプは今年で10年目なので、本連載と時系列を同じくしております。フラ研にも未来構想キャンプ出身者が何人かおりました。当時は高校生だった人たちも、今では大学を卒業し、それぞれのフィールドで活躍しているようです。時の流れを感じますね。それに比べると遅々として先に進まない本連載は、今回も相変わらず2011年の話をします。そのうち一気に加速するはず。

今回はλ309のお話です。λ310、フランス語研究室への初潜入には成功した僕らですが、とはいえフラ研のメンバーになったわけではないので、日常的にλ310に行くことは憚られる。それぞれに特定の居場所がないので、3人で根なし草のようにいつもキャンパス内を彷徨っていた我々。そんな我々が目をつけたのが、λ309。ここはフランス語研究室の「飛び地」のようなところで、公式にはフランス語履修者たちのための学習スペースとして位置付けられているお部屋です。そのため、学習者のためのデスクと椅子が配置されていたりしますが、フランス語の教材や資料が棚にびっしりと取り揃えられていたり、昔の授業などで使用していたらしき古めの機材群が置かれていたり、あるいはフラ研でかつて用いていたのであろうあれやこれやが雑多に置かれていたりと、半ば倉庫のような趣きもあります。時間によって、薄明かりだったり、薄暗かったり。その「アジト感」とでも言いましょうか。当時の僕らが居つくにはちょうど良い雰囲気だったんでしょう。フランス語の授業が終わり、お昼ご飯を食べ、その後にグダグダするお時間。そのお時間をλ309で過ごすようになりました。毎日のように。

確かに僕らもフランス語履修者ではあるので、λ309を使うこと自体は問題なさそうですが。しかしながら、僕らはそこでフランス語のお勉強をするでもなく、ただババルデするだけであり。当初は様子を伺いつつ、ちょっとお邪魔する程度のつもりで使っていたのですが、そのうち慣れてきて、気が大きくなり、当然のように3人で居座り、ババルデ、ババルデ。次第に話し声もうるさくなり。そんな不埒な様子がお隣のλ310のフラ研民の皆様に聞かれているとは、露知らず。すっかりあの頃の初々しさも消えていた僕らを、ある日やんわりと嗜めに来てくれたのがD先生。若いフランス人の先生でした。彼とはインテンシブ2の授業で再会します。初回授業で「あの時のお前ら〜!」みたいなことを言われたような。お恥ずかしい。ニヤッとする悪戯っぽい笑顔がルパン三世のようで。かっこいいんですよね。そのようなわけで、不真面目ながらもどうやらインテンシブ2へと無事に学びを進めたらしい僕たちの2011年の秋学期の様子を、次回お伝えいたします。あの「顎がシュッとした先生」ともここで再会することになります。そこから随分と長いお付き合いになるわけですが。

ちなみに、現在もλ309はフランス語履修者の皆様に向けて開放されているスペースです。授業の空き時間にフランス語学習のために利用していただいたり、ちょっとリラックスするための時間を過ごしていただくことは、大歓迎でございます。ただし、僕らのように、まるでちびっ子ギャングのように、場所を占拠したりうるさくしたりせず、節度なご利用を心がけていただきますよう、何卒。などと、この口で言うてみても、全く説得力がない。その節は申し訳ございませんでした。反省しております。

さて、本日のお写真はD先生とその奥様、ではなくS氏です。S氏についてはまたいつか分厚くおいじりさせていただくことになると思うので、今回は割愛します。今はもうSFCを離れ、フランスで主に日本漫画の翻訳業をなさっているD先生。その後のD先生には、パリに行った時にベルヴィルでベトナム料理をご馳走していただいたり、生まれたばかりの双子のお子さんを抱かせてもらったり。フラ研は、学生たちはもちろん、先生方も何かと入れ替わりの多い場です。「ここ10年」を振り返ろうとすると、各時代のそれぞれの人の顔が思い出されます。一期一会。12月、年の瀬ですね。それでは、また次回。アビアント。(F)

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