SFC創設30周年便乗連載「フラ研、フラ語、ここ10年。〜2011-2020〜」vol.2

ボンジュール。フラ研です。フィクションかドキュメントか定かではない連載のvol.2です。今回は2011年春学期の続きです。論文の章立てで言えば第1章の第2節というところでしょうか。先が長い。卒論・修論・博論な人、がんばってください。お前もな、という幻聴が聞こえました。

SFC敷地内、北東の端の方にある建物がλ館。その3階の角部屋、日当たりの良いお部屋がλ310。そこにフランス語研究室はあります。ここにフランス語授業のSA・TA、そして先生方が集い、おしゃべりしたりコーヒーを飲んだりソファに寝そべったり。各々の時間を過ごしています。楽園なのかな。そんなエデンでその日の僕たちを出迎えてくれたのは、3人の天使たち、のようなメンズ。昼下がりの突然の訪問となりましたが、優しく迎え入れてくれました。こちらも男性3名だったので、男性3名と男性3名で一つの卓を囲むことに。暑苦しい。まだ春先だったのに。ハイトーンボイスの関西弁ミカン男子、笑顔が特徴的でアンパンマンな高身長男子、あと佐々木さん。これが僕が初めて遭遇したフラ研民。佐々木さん誰やねんみたいな話は置いときます。今は中東アジアでお元気にしてらっしゃるはず。

ノープランでフラフラと研究室に吸い込まれていっただけなので、特に話す話題のアテもなかった我々。ですが、奇遇にも男子ばかりの熱気を帯びた場になったということもあり、フランス語のクラスメイトの女性陣とうまくコミュニケーションができないんです、という中学生男子のような悩みを聞いてもらうことに。先輩たちからは軽快に笑われたりしましたが、しかしそこは歴戦の猛者のフラ研男子たち。生温かく相談を聞いてもらいながら、それぞれの授業体験などを基にした含蓄のあるありがたいお話をして、くれたような、くれなかったような。何はともあれ、緊張しつつも、朗らかで豊かな時間を過ごせた記憶。その節は誠にありがとうございました。

このように(?)、SFCのフランス語の授業を自分たちよりも少し早く履修した先輩たちからその経験を伝え聞くことができるのが、フラ研の魅力の一つでしょう。同じ学習者の目線を持つ人たちから、自分のこれからの学びについての機微を教えてもらえます。前回紹介した「言語ガイダンス」では、授業全体の概要やエスプリを大まかに知ることはできますが、実際の雰囲気などの詳細な部分についてまでは分かりません。僕の年など、2人の先生が漫談してただけですし。そうした細かな点について、学年も学習歴も個性も様々な先輩たちから、それぞれ個々の色や香りが付いた経験談を聞くことができるのが、フランス語研究室。体温がある場ですね。日当たりだけじゃないあたたかさ。そんなお話を聞きながら、今後の自分のSFCフランス語ライフのロードマップを想像・妄想することができたり。思わず口角がフォンデュ。

華麗なる男子たちから色々な意味で手厚い指導を受けた我々は、彼らに丁重に感謝を述べてから、研究室を後にしました。高揚した気分を抑えつつ、楽園から下界へと降りる階段に歩を進めようとした僕ら。ふと、λ310のすぐ隣のお部屋を目にします。あらやだ…なにこの空間。素敵。

さて今回のお写真はそのお部屋です。λ309。通称サンマルク。最近ではルロワ・パトリス研究会の皆さんの居場所にもなっているとか。ここ10年で空間の使い方にも色々変化がありますね。vol.3は僕らがここを根城にしようとしたお話。良い子は真似しないでください。それでは、また次回。アビアント。